いかで我ひまゆく駒を引きとめて
昔に返る道を尋ねん
- 歌の意味
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どうにかして私は、隙間を駆け抜けてゆく馬のように速く過ぎる月日を引きとめて、昔に戻る道を探したいものだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1087
詞書「題知らず」
どうにかして、隙間を過ぎる駒を引きとめて、昔に返る道を探したい、と詠む。「隙行く駒」は戸の隙間から走る馬を見るように、月日がたちまち過ぎ去ることのたとえで、『荘子』の故事による。矢のように過ぎてゆく月日を馬に見立てて、その手綱を引いて止め、懐かしい昔へ戻る道を見つけたいと願っている。
作者の「二条院参川内侍」は二条天皇に仕えた女房で、三河内侍と呼ばれた。
前歌の第千八十六首の初句「引く人も」と「引く」を共有する。また本巻の第千八十首、第千八十一首と、昔を慕う心を共有する。
初句「いかで我」の「いかで」は願望を表し、どうにかして、の意で、結句の「ん」と呼応する。
二句「ひまゆく駒を」は、隙間を過ぎる馬を、の意で、速く過ぎ去る月日をたとえる。
三句「引きとめて」は、駒の手綱を引いて止めて、の意である。前歌の第千八十六首の初句「引く人も」と「引く」を共有する。
四句「昔に返る」は、昔に戻る、の意である。本巻の第千八十首の四句「昔は老いを」と、昔を思う心を共有する。
結句「道を尋ねん」の「ん」は意志の助動詞で、道を探したい、の意である。駒の縁で「道」と結んでいる。
ひまゆくこま:戸の隙間から走る馬を見るように、月日が速く過ぎ去ることのたとえ
たづぬ:探し求める
- 作者
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二条院三河内侍
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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引く人もなくて捨てたる梓弓 心強きもかひなかりけり
- 次の歌
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今はただ生けらぬ物に身をなして 生まれぬ後の世にも経るかな