登るべき道にぞ惑ふ位山
これより奥のしるべなければ
- 歌の意味
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登っていくべき道に迷っていることだ、位山で。ここから先の奥へと導いてくれる道案内がないので。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1115
詞書「題知らず」
登るべき道に迷うことだ、位山で、ここから奥の道しるべがないので、と詠む。位山の名に官位や僧位の昇進を重ね、これ以上上へ登る道筋が見えず、導いてくれる人もいないことを嘆いている。法印という僧位にありながら、その先の望みに迷う心とも読める。
作者の「法印倫円」は平安時代後期の僧で、法印の位にあった。伝記の詳細は明らかでない。
本巻の第千七十六首と「位山」を共有し、ともに位の昇進がかなわない嘆きを詠む。また本巻の第千七十八首の結句「しるべなるべき」と「しるべ」を共有する。
初句「登るべき」は、登っていくべき、の意で、位を昇ることを重ねている。
二句「道にぞ惑ふ」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形の「惑ふ」で結ぶ。道に迷っている、の意である。
三句「位山」は飛騨国の歌枕で、官位の昇進にたとえて詠まれる。体言で句切れとなる。本巻の第千七十六首の初句「位山」と同じ歌枕である。
四句「これより奥の」は、ここから先の奥の、の意である。
結句「しるべなければ」の「しるべ」は道案内の意で、道案内がないので、と理由を示し、倒置によって二句に返る。本巻の第千七十八首の結句「しるべなるべき」と「しるべ」を共有する。
くらゐやま:飛騨国の歌枕で、官位の昇進にたとえて詠まれる
しるべ:道案内、手引き
- 作者
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倫円
- 出典
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千載和歌集
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憂しとても厭ひも果てぬ世の中を なかなか何に思ひ知りけん
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諸人の花咲く春をよそに見て なほしぐるるはしひ柴の袖