思ひかねあくがれ出でてゆく道は
あゆく草葉に露ぞこぼるる
- 歌の意味
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思いに堪えかねて、心のままにさまよい出て行く道では、揺れ動く草葉に露がこぼれ落ちることだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑歌中 1122
詞書「修行にまかり歩きける時詠める」
仏道修行のために諸国を歩いた時に詠んだ歌である。思いに堪えかねてさまよい出て行く道は、揺れ動く草葉に露がこぼれることだ、と詠む。世を厭う思いを抑えきれずに修行の旅に出たが、道の草葉が揺れるたびに露がこぼれ落ちる。その露に、旅の心細さや世を捨てきれない思いからこぼれる涙を重ね合わせている。
作者の「覚禅法師」は平安時代後期の僧で、伝記の詳細は明らかでない。
本巻の第千百七首と同じく、修行の旅の途中の道を詠む歌である。
初句「思ひかね」は、思いに堪えかねて、の意である。
二句「あくがれ出でて」の「あくがる」は、心が体から離れてさまよう意から、どこへともなく出て行く意で、さまよい出て、の意となる。
三句「ゆく道は」は、行く道では、の意である。
四句「あゆく草葉に」の「あゆく」は揺れ動く意で、揺れ動く草の葉に、の意である。
結句「露ぞこぼるる」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形の「こぼるる」で結ぶ係り結びである。露に涙を重ねている。
あくがる:心が体から離れてさまよう、どこへともなく出歩く
あゆく:揺れ動く
しゆぎやう:仏道修行のために諸国を巡り歩くこと
- 作者
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覚禅
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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かくばかり憂き世の中を忍びても 待つべきことの末にあるかは
- 次の歌
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夢とのみこの世のことの見ゆるかな 覚むべきほどはいつとなけれど