稲荷山しるしの杉の年古りて
みつのみやしろ神さびにけり
- 歌の意味
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稲荷山のしるしの杉も年を経て、三つの御社は、神々しく古びたことだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1178
詞書「みつのみ」
物名の歌で、「みつのみ」という語を、結句の「みつのみやしろ」の中に隠して詠み込んでいる。稲荷山のしるしの杉も年を経て、三つの社は神々しくなった、と詠む。稲荷社は上中下の三つの社から成り、稲荷に詣でた人は杉の枝を折って持ち帰り、ご利益のしるしとした。その杉も社も長い年月を経て、いよいよ神々しさを増したことをたたえている。
作者の「僧都有慶」は平安時代の僧で、僧都の位にあった。伝記の詳細は明らかでない。
物名の一連の十首目である。
初句「稲荷山」は山城国の山で、稲荷社が鎮座する。
二句「しるしの杉の」の「しるしの杉」は、稲荷詣での人が折り取って持ち帰り、ご利益のしるしとした杉である。
三句「年古りて」は、長い年月を経て、の意である。
四句「みつのみやしろ」は、上中下の三つの社の意で、「みつのみ」の部分に物名が隠されている。
結句「神さびにけり」の「神さぶ」は古びて神々しくなる意で、「に」は完了、「けり」は詠嘆の助動詞である。
みつのみ:物名の題、結句に隠されている
いなりやま:山城国の稲荷山、稲荷社の鎮座する山
かみさぶ:古びて神々しくなる
- 作者
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有慶
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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秋は霧きりすぎぬれば雪降りて 晴るる間もなき深山辺の里
- 次の歌
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名にし負はば常はゆるぎの森にしも いかでかさぎのいはやすくぬる