つらしとてさてはよもわれやまがらす
頭は白くなる世なりとも
- 歌の意味
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つれないからといって、それでわたしが思いをやめることなど、まさかあるまい。山烏の頭が白くなるような、ありえない世になろうとも。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌下 1198
詞書「女を語らひ侍りけるを、いかにもあるまじきことなり、思ひ絶えねと言ひ侍りければ詠める」
女に言い寄っていたところ、とてもありえないことだ、思いを断ち切れ、と言われたので詠んだ歌である。つれないからといって、それで私がまさかやめはしない、山烏の頭が白くなる世であっても、と詠む。烏の頭が白くなるというのは、ありえないことのたとえとして中国の故事に見える言い方で、相手の「あるまじきこと」を受けて、たとえありえないことが起ころうとも思いは絶えないと言い返したところに、誹諧の趣がある。
作者の「安性法師」は雅楽の楽人豊原時元の出家後の名で、時元は笙の名手として知られた。
誹諧歌の一連の十九首目である。
初句「つらしとて」は、つれないといって、の意である。
二句「さてはよもわれ」の「さては」は、それだからといって、「よも」は、まさか、の意で、思いをやめることはあるまいという心を導く。
三句「やまがらす」は山にすむ烏で、「やま」に、思いを止める意の「止ま」を掛け、二句の「よもわれ」から続けている。
四句「頭は白く」は、烏の頭が白くなることで、ありえないことのたとえである。
結句「なる世なりとも」の「とも」は逆接仮定の接続助詞で、そんな世になろうとも、の意である。
やまがらす:山にすむ烏、「やま」に思いを止める意の「止ま」を掛ける
かたらふ:親しく語り合う、男女が言い交わす
- 作者
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安性
- 出典
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千載和歌集
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八橋のわたりに今日も泊まるかな ここに住むべき身かはと思へど
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上に置ける文字はまことの文字なれば 歌もよみぢを助けざらめや