- 歌の意味
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あなたの名こそ、いっそう世に現れるだろう。降る雪に、昔の跡は埋もれてしまったとしても。
- 鑑賞
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巻第十九 釈教歌 1226
詞書「返し」
前歌の慈円の歌に答えた返歌である。あなたの名こそいっそう現れるだろう、降る雪に昔の跡は埋もれても、と詠む。慈円が雪の中に昔の聖の跡が絶えると嘆いたのに対し、たとえ跡は雪に埋もれても、ひとり山にとどまって修行を続けるあなたの名こそ、かえって世に現れるだろうと、慈円をたたえ励ましている。
作者の「尊円法師」は比叡山の僧で、伝記の詳細は明らかでない。
前歌の第千二百二十五首との贈答で、前歌の「昔の跡」と雪をそのまま受け、埋もれる跡と現れる名とを対比している。
初句「君が名ぞ」の「君」は慈円を指し、「ぞ」は強意の係助詞で、二句の連体形「ん」で結ぶ。
二句「なほ現れん」の「なほ」はいっそう、「ん」は推量の助動詞「む」の連体形で、係り結びの結びとなる。ここで句切れとなる。
三句「降る雪に」は、前歌の結句「今朝の白雪」を受けている。
四句「昔の跡は」は、前歌の二句「昔の跡や」をそのまま受けている。
結句「埋もれぬとも」の「ぬ」は完了の助動詞、「とも」は逆接仮定の接続助詞で、埋もれてしまっても、の意である。倒置によって、埋もれる跡と現れる名とが対比されている。
かへし:贈られた歌に答える歌、返歌
- 作者
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尊円
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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いとどしく昔の跡や絶えなんと 思ふも悲し今朝の白雪
- 次の歌
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ひとりのみ苦しき海を渡るとや 底を悟らぬ人は見るらん