千年山神のよませる榊葉の
栄えまさるは君がためとか
- 歌の意味
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千年山の、神が千年の齢を数えてこられた榊の葉が、ますます栄えているのは、君の御代のためであるとか。
- 鑑賞
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巻第二十 神祇歌 1288
詞書「同じ大嘗会主基方歌詠みて奉りける、神楽歌、丹波国千年山を詠める」
前歌と同じ後鳥羽天皇の大嘗会で主基方の歌を詠んで奉った時、神楽歌として丹波国の千年山を詠んだ歌である。千年山の神のよませる榊葉が栄えまさるのは君のためとか、と詠む。主基方の地名の千年山に千年の齢を重ね、神が年を数えて守ってきた榊葉がいよいよ栄えるのは、君の御代の繁栄のためであると言祝いでいる。
作者の「藤原光範朝臣」は藤原南家の儒者で、宮内卿藤原永範の子にあたり、文章博士を務めた。
本歌は神祇歌の巻の巻末の一首であり、『千載和歌集』二十巻の最後の一首でもある。巻頭の第千二百五十六首が古い行幸の跡をたずねて先例をしのんだのに対し、本歌は千年の栄えを今上の御代に祈って結び、過去をしのぶ歌に始まった巻が未来への祈りで閉じられている。前歌の第千二百八十七首とは悠紀と主基の一対をなしている。
初句「千年山」は丹波国の地名で、主基方の国の名所である。千年の名に御代の長久を込めている。
二句「神のよませる」の「よむ」は数える意で、「せ」は尊敬の助動詞「す」、「る」は存続の助動詞「り」の連体形と解され、神が千年の齢を数えてこられた、の意となる。
三句「榊葉の」は神事に用いる榊の葉で、本巻の第千二百八十一首や第千二百八十二首と同じく、榊葉に御代の永続を託している。
四句「栄えまさるは」は、ますます栄えるのは、の意で、「栄え」は三句の「榊」と音を響かせている。
結句「君がためとか」の「とか」は、…とかいうことだ、と伝え聞く形で、言いさして余情を残している。本巻の第千二百八十三首の結句「君が代のため」と同じく、君のための神事を詠んで巻を結んでいる。
よむ:数える
ちとせやま:丹波国の地名、千年の名に御代の長久を込める
- 作者
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藤原光範
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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諸神の心に今ぞかなふらし 君を八千代と祈るよごとは