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諸神の心に今ぞかなふらし
君を八千代と祈るよごとは

歌の意味
もろもろの神々の御心に、今まさにかなっているらしい。君の御代が八千代まで続くようにと祈る、この寿詞は。
鑑賞
巻第二十 神祇歌 1287

詞書「元暦元年今上の御時、大嘗会悠紀方歌詠みて奉りける、神遊びの歌、近江国諸神郷を詠める」
 元暦元年(1184)、今上すなわち後鳥羽天皇の大嘗会で悠紀方の歌を詠んで奉った時、神遊びの歌として近江国の諸神郷を詠んだ歌である。今上は本集が編まれた時の天皇である。諸神の心に今かなうらしい、君を八千代と祈るよごとは、と詠む。地名の諸神を神々の意に取りなし、君の八千代を祈る言葉が神々の御心にかなっていると、今上の御代を言祝いでいる。
 作者の「藤原季経朝臣」は左京大夫藤原顕輔の子で、藤原清輔の弟にあたる。六条家の歌人で、のちに宮内卿に至った。
 本巻の第千二百八十三首も悠紀方の諸神郷を詠み、ともに諸神が君の御代を祈る心を詠んでいる。次歌の第千二百八十八首は同じ大嘗会の主基方の歌で、悠紀と主基の一対で巻を閉じる。

 初句「諸神の」は、もろもろの神々の、の意で、悠紀方の地名の諸神郷を詠み込んでいる。本巻の第千二百八十三首の三句「諸神の」と同じ語である。
 二句「心に今ぞ」の「ぞ」は強意の係助詞で、三句の「らし」で結ぶ。
 三句「かなふらし」の「らし」は根拠のある推定の助動詞で、係り結びの結びとなる。ここで句切れとなる。
 四句「君を八千代と」は、天皇の御代が八千年まで続くようにと、の意である。
 結句「祈るよごとは」の「よごと」は天皇の御代を祝う言葉で、倒置によって二句の主語を示している。

よごと:天皇の御代を祝う言葉、寿詞
やちよ:八千年、きわめて長い年月
きんじやう:今の天皇、ここでは後鳥羽天皇
作者
藤原季経
出典
千載和歌集
前の歌
みしめゆふ肩にとりかけ神南備の 山の榊をかざしにぞする
次の歌
千年山神のよませる榊葉の 栄えまさるは君がためとか