梅は早咲にけりとておれはちる
花とそ雪のふるは見えける
- 歌の意味
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梅はもう咲いたのだと思って枝を折ると、散ってしまう。降る雪は、まさに花のように見えたことだ。
- 鑑賞
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仏法の座をめぐる贈答ののち、二人は歌を交わしながら日々を過ごしていた。雪がひどく降った日、帥の宮は、木の枝に雪が降りかかっているのに添えて歌を送ってきた。
女は和泉式部のことで、大江雅致の娘であり、和泉守橘道貞の妻として小式部内侍をもうけた。帥の宮は冷泉天皇の第四皇子敦道親王で、大宰帥であったことからこう呼ばれる。
帥の宮から、雪の積もった枝に「雪ふれは木々の木のはも春ならてをしなへ梅の花そ咲ける」がつけられて届き、和泉式部は思いがけない趣向に驚きながら、この歌を返した。
その翌日の早朝、帥の宮から冬の夜の独り寝のつらさを詠んだ歌が届くことになる。
初句と第二句の「梅は早咲にけりとて」は、梅はもう咲いたのだと思って、という意味で、帥の宮の歌の「梅の花そ咲ける」を受けている。「にけり」は完了と詠嘆の助動詞である。第三句の「おれはちる」は、折ると散る、の意で、雪の積もった枝を手に取ると雪がはらはらと落ちる様子をいう。
下の句の「花とそ雪のふるは見えける」は、降る雪は花のように見えたことだ、という意味で、「ぞ〜ける」は係り結び、「ける」は詠嘆の助動詞「けり」の連体形である。帥の宮の見立てをそのまま受け入れ、届いた枝を折ってみたら散ってしまった、やはり花のように見えたのは雪だったと、実際に枝を手にした体験として答え、見立ての趣向を一段と深めている。
折る(おる):枝などを手で折り取る
- 作者
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和泉式部
- 出典
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和泉式部日記
- 前の歌
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雪ふれは木々の木のはも春ならて をしなへ梅の花そ咲ける
- 次の歌
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冬のよはこひしきことにめもあはて 衣かたしき明そしにける