山の端の霞むけしきにしるきかな
今朝よりやさは春の曙
- 歌の意味
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山の稜線が霞んでいる様子に、はっきりと表れていることだ。それでは今朝から春の曙になったのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 2
詞書は前の歌に続き「立つ春の朝よみける」
前歌と同じく立春の朝の歌である。山の稜線がうっすらと霞んでいる景色を見て、春が来たことがはっきりわかると感じ、今朝からはもう春の曙なのだろうかと、季節が改まった朝の景を確かめている。
前歌が夢の中で春を迎えたのに対し、この歌は目覚めた朝の実景の中に春を見いだしており、夢から現実へと春の到来がたどられる配列となっている。結句の「春の曙」は、春の情趣を代表する時刻として古くから愛された言葉であり、立春の朝にこの言葉を置くことで、新しい春の始まりを印象づけている。
初句「山の端の」は、山の稜線、つまり山と空とが接するあたりを指す。春の霞が最初に現れる場所として詠まれる。
二句「霞むけしきに」は、霞がかかっている様子をいう。霞は春の到来を告げる景物である。
三句「しるきかな」の「しるし」ははっきりしている意で、春の到来が霞の景に明らかに表れていることを詠嘆の「かな」で受け、三句切れとなる。
四句「今朝よりやさは」の「さは」は「それでは」の意で、三句を受けて推し量る。「や」は疑問を表す。
結句「春の曙」は体言止めで、今朝からいよいよ春の曙が始まったのかと、新しい季節の朝を確かめて結んでいる。
やまのは:山の稜線、山と空との境目
あけぼの:夜がほのぼのと明けはじめるころ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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年暮れぬ春来べしとは思ひ寝に まさしく見えてかなふ初夢
- 次の歌
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春立つと思ひもあへぬ朝出でに いつしか霞む音羽山かな