春ごとに野辺の小松を引く人は
いくらの千代を経べきなるらん
- 歌の意味
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春が来るたびに野辺の小松を引く人は、いったいどれほどの千年を経ることになるのだろう。
- 鑑賞
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春歌 14
詞書「子の日」
子の日の小松引きを題とする歌である。小松を引くのは千年の長寿を願う行事であるが、それを毎年の春ごとに繰り返す人は、いったい何回千年を重ねることになるのだろう、と興じている。
一度で千年の寿命を得る行事を毎年行えば千年がいくつも重なる、という理屈で祝いの気持ちを大きくふくらませた、明るい祝賀の歌である。
初句「春ごとに」は、春が来るたびに、毎年の春に、の意である。
二句「野辺の小松を」は、野原に生える若い松をいう。子の日にはこれを根ごと引き抜いて長寿を祈った。
三句「引く人は」は、子の日の遊びで小松を引く人をいう。
四句「いくらの千代を」は、千年をいったいいくつ、の意で、千年を単位として数える大きな数を表す。
結句「経べきなるらん」は、経ることになるのだろう、の意で、推量の「らん」で興じる気持ちを表して結んでいる。
のべ:野原
ふ:時を経る、過ごす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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波越すと二見の松の見えつるは 梢にかかる霞なりけり
- 次の歌
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子の日する人に霞は先立ちて 小松が原をたなびきてけり