- 歌の意味
- 鶯の声が霞の中から漏れ聞こえてくる。人の訪れもまれな春の山里では。
- 鑑賞
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春歌 25
詞書「閑中鶯」
静かな暮らしの中の鶯を題とする歌である。人の訪れもほとんどない春の山里で、霞の向こうから鶯の声だけが漏れ聞こえてくる様子を詠む。
姿は霞に隠れて見えず、声だけが届くという描き方が、山里の静けさをいっそう際立たせている。人の気配のない寂しさの中にも、鶯の声が春の訪れを伝えている。
初句「鶯の」は、二句の「声」に続く。
二句「声ぞ霞に」の「ぞ」は強意の係助詞で、三句の連体形「来る」と係り結びをなす。
三句「漏れて来る」は、霞の中から漏れ聞こえてくる、の意で、係り結びによって三句切れとなる。
四句「人目乏しき」は、人の訪れがまれな、の意である。
結句「春の山里」は体言止めで、静かな山里の景を示して結んでいる。
ひとめ:人の訪れ、人の目
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 憂き身にて聞くも惜しきは鶯の 霞にむせぶ曙の山
- 次の歌
- 鶯のはるさめさめと鳴きゐたる 竹の雫や涙なるらん