- 歌の意味
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春雨の中で、鶯がさめざめと泣くように鳴いている。竹から落ちる雫は、その鶯の涙なのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 26
詞書「雨中鶯」
雨の中の鶯を題とする歌である。春雨の降る中、竹にとまった鶯が泣くように鳴いている様子を見て、竹から滴る雫を鶯の涙ではないかと見立てている。
「はるさめさめと」と、「春雨」と涙を流して泣く「さめざめ」とを重ねた言葉遊びが一首の要である。雨の雫を涙と見る見立てによって、鶯の鳴き声に哀感を添えている。
初句「鶯の」は、三句の「鳴きゐたる」の主語となる。
二句「はるさめさめと」は、「春雨」と、涙を流して泣く様子をいう「さめざめ」とを、「さめ」の音を重ねて掛けている。
三句「鳴きゐたる」は、鳴き続けている、の意で、連体形で四句の「竹」にかかる。
四句「竹の雫や」は、鶯のとまる竹から落ちる雨の雫で、「や」は疑問の係助詞として結句の「らん」と係り結びをなす。
結句「涙なるらん」は、鶯の涙なのだろうか、の意で、雫を涙と見立てて推量の「らん」で結んでいる。
はるさめ:春雨の意と、涙を流して泣く意のさめざめとを重ねる
しづく:したたり落ちる水の粒
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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鶯の声ぞ霞に漏れて来る 人目乏しき春の山里
- 次の歌
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古巣うとく谷の鶯なり果てば 我やかはりてなかんとすらん