鶯は谷の古巣を出でぬとも
我が行方をば忘れざらなん
- 歌の意味
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鶯は谷の古巣を出て行ってしまっても、私の居所だけは忘れないでいてほしい。
- 鑑賞
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春歌 28
詞書は前の歌に続き「住みける谷に、鶯の声せずなりければ」
一連の二首目である。鶯が谷の古巣を出て行ってしまうのは仕方がないとしても、谷に住む私のことだけは忘れないでいてほしい、と鶯に語りかけている。
前歌が鶯の代わりに鳴こうかと嘆いたのに対し、この歌では去った鶯への願いを率直に述べている。鶯を友のように慕う、山住みの者の心情がにじむ。
初句「鶯は」は、一連の主題である谷の鶯を取り立てている。
二句「谷の古巣を」は、鶯がこれまで住んでいた谷の巣をいう。
三句「出でぬとも」は、たとえ出て行ってしまっても、の意で、逆接の仮定を表す。
四句「我が行方をば」は、私の居所を、の意で、「をば」によって強く取り立てている。
結句「忘れざらなん」の「なん」は他に対する願望を表し、忘れないでいてほしい、と鶯に呼びかけて結んでいる。
ゆくへ:行く先、居所
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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古巣うとく谷の鶯なり果てば 我やかはりてなかんとすらん
- 次の歌
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鶯は我を巣守に頼みてや 谷の岡辺は出でて鳴くらむ