萌え出づる若菜あさると聞こゆなり
雉鳴く野の春の曙
- 歌の意味
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萌え出た若菜をついばんでいるらしく、その声が聞こえてくる。雉の鳴く野の春の曙よ。
- 鑑賞
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春歌 31
詞書「雉を」
雉を題とする歌で、ここから四首が続く。春の曙、野で鳴く雉の声を聞き、萌え出たばかりの若菜をついばんでいるのだろうと推し量っている。
姿の見えない雉を、声だけからとらえて描いている。結句「春の曙」は本巻の第二首の結句と同じで、立春の朝の霞の曙に対し、ここでは雉の鳴く野の曙が描かれ、春の深まりが感じられる。
初句「萌え出づる」は、芽を出したばかりの、の意である。
二句「若菜あさると」は、若菜を探してついばんでいると、の意である。
三句「聞こゆなり」の「なり」は音や声から推し量る推定の助動詞で、雉の声からそう聞こえるとして三句切れとなる。
四句「雉鳴く野の」は、雉の鳴いている野原をいう。
結句「春の曙」は体言止めで、本巻の第二首と同じ結句を用い、雉の声の響く春の夜明けの野の景を示して結んでいる。
きぎす:雉の古名
あさる:えさを探し求める
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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春のほどは我が住む庵の友になりて 古巣な出でそ谷の鶯
- 次の歌
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生ひかはる春の若草待ちわびて 原の枯野に雉鳴くなり