香をとめん人にこそ待て山里の
垣根の梅の散らぬ限りは
- 歌の意味
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梅の香を尋ねて来る人をこそ待っていよう。山里の垣根の梅が散らないうちは。
- 鑑賞
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春歌 35
詞書「山家梅」
山里の家の梅を題とする歌で、ここから三首が続く。人の訪れもまれな山里であるが、垣根の梅が咲いている間は、その香りを尋ねて訪れる人がいるかもしれないので、その人を待っていよう、と詠む。
梅の香は人を誘うものとされ、香りを頼りに訪れる人を待つという心が、山里の寂しさの中にほのかな期待を添えている。
初句「香をとめん」は、梅の香を尋ね求めて来よう、の意で、「とむ」は尋ね求めることをいう。
二句「人にこそ待て」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形の「待て」で結ぶ係り結びとなる。その香を尋ねてくる人をこそ待とう、の意で二句切れとなる。
三句「山里の」は、四句の垣根にかかり、人の訪れの少ない山里を示す。
四句「垣根の梅の」は、山里の家の垣根に咲く梅をいう。
結句「散らぬ限りは」は、散らないうちは、の意で、待つ期間を倒置の形で示して結んでいる。
とむ:尋ね求める
かきね:家の周りの垣
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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片岡に柴移りして鳴く雉 立つ羽音とて高からぬかは
- 次の歌
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心せん賤が垣根の梅はあやな よしなく過ぐる人とどめけり