玉章の端書きかとも見ゆるかな
飛び遅れつつ帰る雁がね
- 歌の意味
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手紙の端に書き添えた文字かとも見えることだ。列から飛び遅れながら帰っていく雁は。
- 鑑賞
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春歌 48
詞書「帰雁」
帰る雁を題とする歌である。空を連なって飛ぶ雁の列を文字に見立て、列から遅れて飛ぶ雁を、手紙の端に書き添えた追伸の文字のようだ、と詠んでいる。
雁は手紙を運ぶ鳥とされ、その列は文字にたとえられてきた。その伝統の上に、遅れて飛ぶ雁を手紙の端書きと見る新しい趣向を加えたところに、機知が光っている。前二首の霞に消える雁に対し、くっきりと空に見える雁の姿を描いている。
初句「玉章の」は、手紙の、の意である。雁が手紙を運ぶ鳥とされたことを踏まえている。
二句「端書きかとも」は、手紙の端に書き添えた文かとも、の意である。
三句「見ゆるかな」は、そのように見えることよ、と詠嘆の「かな」で三句切れとなる。
四句「飛び遅れつつ」は、列から遅れて飛びながら、の意である。
結句「帰る雁がね」は体言止めで、遅れて帰っていく雁を示して結んでいる。上の句と下の句が倒置となっている。
たまづさ:手紙
はしがき:手紙の端に書き添える文
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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雁がねは帰る道にや迷ふらん 越の中山霞隔てて
- 次の歌
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山里へ誰をまたこはよぶこ鳥 ひとりのみこそ住まんと思ふに