なかなかに風の干すにぞ乱れける
雨に濡れたる青柳の糸
- 歌の意味
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かえって風が干そうとするために乱れてしまったことだ。雨に濡れた青柳の糸のような枝は。
- 鑑賞
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春歌 53
詞書「雨中柳」
雨の中の柳を題とする歌である。雨に濡れて垂れていた青柳の枝を、風が吹いて乾かしてやろうとしたところ、かえって糸のような枝が乱れてしまった、と詠んでいる。
風の親切がかえって柳を乱すという、皮肉なおかしみを見いだしている。柳の枝を糸に見立て、「乱る」という糸の縁語を用いて、その様子を描いている。
初句「なかなかに」は、かえって、なまじっか、の意である。
二句「風の干すにぞ」は、風が乾かそうとするために、の意で、「ぞ」は強意の係助詞として三句の「ける」と係り結びをなす。
三句「乱れける」は、乱れてしまったことだ、の意で、係り結びにより三句切れとなる。「乱る」は糸の縁語である。
四句「雨に濡れたる」は、雨に濡れている、の意である。
結句「青柳の糸」は体言止めで、柳の細い枝を糸に見立てて結んでいる。上の句と下の句が倒置となっている。
あをやぎ:芽吹いて青々とした柳
いと:柳の細い枝を糸に見立てた語
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山賤の片岡かけて占むる庵の 境に見ゆる玉の緒柳
- 次の歌
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見渡せば佐保の河原にくりかけて 風に縒らるる青柳の糸