見渡せば佐保の河原にくりかけて
風に縒らるる青柳の糸
- 歌の意味
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見渡すと、佐保の河原いっぱいに繰りかけたように、風に縒られている青柳の糸よ。
- 鑑賞
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春歌 54
詞書「柳乱風」
風に乱れる柳を題とする歌である。佐保の河原を見渡すと、柳の枝が糸を繰りかけたように連なり、風に吹かれて縒り合わされている様子を詠む。
柳の枝を糸に見立て、「繰る」「縒る」と糸の縁語を重ねて、風になびく柳の動きを描いている。結句「青柳の糸」は前歌と同じで、前歌の雨に濡れた柳に対し、この歌では広い河原で風に縒られる柳が描かれている。
初句「見渡せば」は、広く見渡すと、の意で、視界の広がりを示す。
二句「佐保の河原に」は、大和国の佐保川の河原に、の意で、柳の名所として知られる。
三句「くりかけて」の「くる」は糸を巻き取る意で、糸の縁語である。
四句「風に縒らるる」の「縒る」は糸をねじり合わせる意で、これも糸の縁語となっている。
結句「青柳の糸」は体言止めで、前歌と同じ結句を用い、風に縒られる柳の枝を糸に見立てて結んでいる。
さほ:大和国の佐保川、またその一帯
くる:糸を巻き取る
よる:糸をねじり合わせる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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なかなかに風の干すにぞ乱れける 雨に濡れたる青柳の糸
- 次の歌
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水底に深き緑の色見えて 風になみよる川柳かな