- 歌の意味
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雪に閉ざされていた谷の古巣を思い出して、今は花に親しみまつわっている鶯の声よ。
- 鑑賞
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春歌 61
詞書は前の歌に続き「待花」
花を待つ歌の四首目である。冬の間、雪に閉ざされた谷の古巣で過ごした日々を思い出しながら、今は咲いた花に親しみまつわって鳴く鶯の声を詠んでいる。
雪の谷から花の里へと移った鶯に、冬から春への移り変わりと、花を待ち得た喜びとを重ねている。「谷の古巣」は本巻の第二十七首から第三十首の一連と同じ語で、そこでは谷の古巣を去る鶯が惜しまれていたが、ここでは古巣を出て花に親しむ鶯の姿が描かれている。
初句「雪閉ぢし」は、雪に閉ざされていた、の意で、冬の谷の様子をいう。
二句「谷の古巣を」は、鶯が冬を過ごした谷の巣を、の意である。
三句「思ひ出でて」は、思い出して、の意で、字余りとなっている。
四句「花にむつるる」は、花に慣れ親しんでまつわりつく、の意である。
結句「鶯の声」は体言止めで、花にまつわって鳴く鶯の声を示して結んでいる。
ふるす:以前に住んでいた巣
むつる:慣れ親しんでまつわりつく
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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空に出でていづくともなく尋ぬれば 雲とは花の見ゆるなりけり
- 次の歌
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吉野山雲をはかりに尋ね入りて 心にかけし花を見るかな