おしなべて花の盛りになりにけり
山の端ごとにかかる白雲
- 歌の意味
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どこもみな一様に花の盛りになったことだ。山の稜線ごとにかかっている白雲(のような桜)よ。
- 鑑賞
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春歌 64
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
見渡すかぎりの山々が一斉に花盛りを迎えた景を詠む。山の稜線ごとに白雲がかかっているように見えるのは、すべて満開の桜である、と遠望の景を大きくとらえている。
山々にかかる白雲を桜と見る見立てによって、花盛りの広がりを雄大に描いた歌である。この歌は『千載和歌集』に入集している。
初句「おしなべて」は、すべて一様に、どこもかしこも、の意である。
二句「花の盛りに」は、桜の花が満開の時期に、の意である。
三句「なりにけり」は、なったことだ、と気づきの「けり」で言い切る三句切れである。
四句「山の端ごとに」は、山の稜線ひとつひとつに、の意で、本巻の第二首の初句「山の端の」と同じ語を用いている。
結句「かかる白雲」は体言止めで、稜線にかかる白雲と見えるものが満開の桜であることを示して結んでいる。
やまのは:山の稜線、山と空との境目
しらくも:白い雲。ここでは山々に咲く桜を見立てる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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思ひやる心や花に行かざらん 霞こめたるみ吉野の山
- 次の歌
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まがふ色に花咲きぬれば吉野山 春は晴れせぬ峰の白雲