まがふ色に花咲きぬれば吉野山
春は晴れせぬ峰の白雲
- 歌の意味
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雲と見まがう色に花が咲いたので、吉野山では、春の間じゅう晴れることのない峰の白雲であることよ。
- 鑑賞
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春歌 65
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
吉野山の満開の桜を、峰にかかる白雲に見立てた歌である。雲と見分けがつかない色に桜が咲いたので、吉野山の峰には、春の間ずっと晴れることのない白雲がかかっているようだ、と詠む。
結句「峰の白雲」は前歌の結句「かかる白雲」を受け継ぎ、山々の花盛りを詠んだ前歌に対し、吉野山一つに焦点を絞って同じ見立てを用いている。花が散らない限り雲は晴れないという言い方に、花盛りが長く続いてほしいという願いもにじむ。
初句「まがふ色に」は、雲と見分けがつかない色に、の意で、字余りとなっている。
二句「花咲きぬれば」は、桜が咲いてしまったので、の意である。
三句「吉野山」は、大和国の桜の名所である。
四句「春は晴れせぬ」は、春の間は晴れることのない、の意で、花が雲に見立てられている。
結句「峰の白雲」は体言止めで、前歌の結句と同じく白雲を桜に見立てて結んでいる。
まがふ:見分けがつかないほどよく似る
みね:山の頂
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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おしなべて花の盛りになりにけり 山の端ごとにかかる白雲
- 次の歌
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吉野山梢の花を見し日より 心は身にも添はずなりにき