吉野山梢の花を見し日より
心は身にも添はずなりにき
- 歌の意味
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吉野山の梢の花を見たその日から、心は私の身に寄り添わなくなってしまった。
- 鑑賞
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春歌 66
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
吉野山の梢に咲く桜を見たその日から、心が花に奪われて身から離れてしまった、と詠む。花に心を奪われ、身と心とが別々になってしまうほどの強い思いを表している。
花に魅了されて心が身から抜け出すという表現に、西行の桜への深い執心が表れている。この歌は『続後拾遺和歌集』に入集している。
初句「吉野山」は、大和国の桜の名所である。
二句「梢の花を」は、木の枝先に咲く桜の花を、の意である。
三句「見し日より」は、見たその日から、の意で、過去の「き」の連体形「し」によって、心が離れた始まりの日を示す。
四句「心は身にも」は、心は私の身にも、の意で、身と心とを分けてとらえている。
結句「添はずなりにき」は、寄り添わなくなってしまった、の意で、過去の「き」で結び、心が花に奪われたままであることを表している。
こずゑ:木の枝の先
そふ:寄り添う、一緒にいる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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まがふ色に花咲きぬれば吉野山 春は晴れせぬ峰の白雲
- 次の歌
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あくがるる心はさても山桜 散りなんのちや身に帰るべき