- 歌の意味
- 白川の春の梢で鳴く鶯の声は、花が語る言葉を聞くような心地がする。
- 鑑賞
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春歌 70
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
白川の桜の梢で鳴く鶯の声を、まるで花が語る言葉を聞いているようだ、と詠む。言葉を持たない花の思いを、花の枝にとまる鶯が代わりに語っているように感じている。
初句「白川の」は前歌と同じで、前歌が白川の梢を見て心を慰めたのに対し、この歌では白川の梢の鶯の声に耳を傾けている。視覚から聴覚へと移しながら、同じ白川の春を詠み継いでいる。
初句「白川の」は、前歌の初句と同じ語で、京の東、白河の地を示す。
二句「春の梢の」は、春の桜の枝先の、の意である。
三句「鶯は」は、その梢で鳴く鶯を取り立てている。
四句「花の言葉を」は、花が語る言葉を、の意で、花を擬人化している。
結句「聞く心地する」は、聞くような気持ちがする、の意で、鶯の声を花の言葉として受け止めて結んでいる。
ここち:気持ち、感じ
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 白川の梢を見てぞ慰むる 吉野の山に通ふ心を
- 次の歌
- 引きかへて花見る春は夜はなく 月見る秋は昼なからなん