引きかへて花見る春は夜はなく
月見る秋は昼なからなん
- 歌の意味
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いっそ入れ替えて、花を見る春には夜がなく、月を見る秋には昼がなければよいのに。
- 鑑賞
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春歌 71
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
花を見る春には花の見えない夜がなく、月を見る秋には月の見えない昼がなければよい、と願う歌である。花と月とを存分に味わいたいという思いを、昼と夜とを入れ替えるという大胆な発想で表している。
春の花と秋の月という代表的な風物を対にし、「花見る春は」「月見る秋は」と句を整えて並べている。花の歌の中に月を持ちこみ、次歌の花と月の歌へとつないでいる。
初句「引きかへて」は、入れ替えて、取り替えて、の意である。
二句「花見る春は」は、花を見る春には、の意で、四句の「月見る秋は」と対をなす。
三句「夜はなく」は、夜がなくて、の意である。
四句「月見る秋は」は、月を見る秋には、の意で、二句と対句をなしている。
結句「昼なからなん」の「なん」は願望を表し、昼がなければよいのに、と結んでいる。
ひきかふ:入れ替える、取り替える
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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白川の春の梢の鶯は 花の言葉を聞く心地する
- 次の歌
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花散らで月は曇らぬ世なりせば 物を思はぬ我が身ならまし