- 歌の意味
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願うことには、桜の花の下で、春に死にたい。釈迦が入滅したというあの如月の望月のころに。
- 鑑賞
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春歌 77
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
西行の代表作として広く知られる歌である。できることなら、満開の桜の花の下で、春に死にたい。それも、釈迦が入滅したとされる二月十五日、如月の満月のころに、と願っている。
生涯愛した桜と、仏道の祖である釈迦の入滅の日とを重ね、花と仏への思いを一つにした臨終の願いを詠んでいる。西行は文治六年(1190)二月十六日に没し、この歌の願いがほぼそのとおりにかなったことは、当時の歌人たちに深い感銘を与えた。この歌は『続古今和歌集』に入集している。
初句「願はくは」は、願うことには、の意で、一首全体が願いの内容であることを示す。
二句「花の下にて」は、桜の花の下で、の意である。
三句「春死なん」の「ん」は意志や願望を表し、春に死にたい、と言い切って三句切れとなる。
四句「その如月の」は、陰暦二月の、の意で、「その」によって、釈迦入滅の月であることを強く指し示している。
結句「望月のころ」は体言止めで、満月の十五日ごろを示して結んでいる。釈迦の入滅とされる二月十五日を踏まえている。
きさらぎ:陰暦二月
もちづき:満月。陰暦十五日の月
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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花に染む心のいかで残りけん 捨て果ててきと思ふ我が身に
- 次の歌
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仏には桜の花をたてまつれ 我が後の世を人とぶらはば