何とかや世にありがたき名を得たる
花も桜にまさりしもせじ
- 歌の意味
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何と言ったか、世にまたとないと名高い花であっても、桜にまさることはあるまい。
- 鑑賞
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春歌 79
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
世にめったにないと評判の高い花があると聞くが、何という名であったか、そのような花であっても桜にまさることはあるまい、と詠んでいる。
名前すら思い出せないという言い方で、どんな名高い花も桜の前ではかすんでしまうことを表している。第七十三首の、桜に並ぶ木はないという讃美と同じく、桜の比類なさをたたえる歌である。
初句「何とかや」は、何と言ったか、の意で、名を思い出せないという形をとっている。
二句「世にありがたき」は、世にめったにない、の意である。
三句「名を得たる」は、名声を得ている、の意である。
四句「花も桜に」は、そのような花であっても桜には、の意である。
結句「まさりしもせじ」の「じ」は打消の推量を表し、まさることはあるまい、と言い切って結んでいる。
な:評判、名声
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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仏には桜の花をたてまつれ 我が後の世を人とぶらはば
- 次の歌
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山桜霞の衣厚く着て この暮れだにも風包まなん