- 歌の意味
- 山桜よ、霞の衣を厚く着て、せめてこの夕暮れだけでも、風から身を包み守ってほしい。
- 鑑賞
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春歌 80
詞書は前の歌に続き「花の歌あまたよみけるに」
山桜に向かって、霞を衣のように厚くまとい、せめてこの夕暮れの間だけでも、花を散らす風から身を包んで守ってほしい、と呼びかけている。
桜を包む霞を、桜が着る衣に見立てたところに趣がある。花を散らす風を恐れ、少しでも長く花を見ていたいという願いが、桜への呼びかけとして表されている。
初句「山桜」は、山に咲く桜への呼びかけである。
二句「霞の衣」は、桜を包む霞を衣に見立てた表現である。
三句「厚く着て」は、霞の衣を厚く重ねて着て、の意である。
四句「この暮れだにも」の「だに」は、せめて~だけでも、の意で、最小限の願いを示す。
結句「風包まなん」の「なん」は他に対する願望を表し、風から身を包み守ってほしい、と結んでいる。
ころも:衣服
つつむ:包み覆って守る
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 何とかや世にありがたき名を得たる 花も桜にまさりしもせじ
- 次の歌
- 思ひやる高嶺の雲の花ならば 散らぬ七日は晴れじとぞ思ふ