花も散り人も来ざらん折はまた
山の峡にてのどかなるべし
- 歌の意味
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花も散り、人も来なくなるときには、また山あいの地で静かに過ごせるだろう。
- 鑑賞
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春歌 88
詞書は前の歌に続き「静かならんと思ひける頃、花見に人々まうで来たりければ」
前歌と同じ折の歌である。花が散って人も訪れなくなれば、また山あいの住まいで静かに過ごせるだろう、と詠んでいる。
花の盛りの間のにぎわいを受け入れつつ、その後に戻ってくる静けさを思っている。前歌が人を呼ぶ桜を責めたのに対し、この歌では花の終わりとともに訪れる静かな日々を待っており、二首で花の季節の騒がしさとその後の静けさとが対比されている。
初句「花も散り」は、花も散ってしまい、の意である。
二句「人も来ざらん」は、人も来なくなるであろう、の意で、初句と並べて「も」を重ねている。
三句「折はまた」は、そのときにはまた、の意である。
四句「山の峡にて」は、山と山の間の地で、の意で、作者の住まいを示す。
結句「のどかなるべし」の「べし」は推量を表し、静かに過ごせるだろう、と結んでいる。
かひ:山と山の間、山あい
をり:時、機会
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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花見にと群れつつ人の来るのみぞ あたら桜の咎にはありける
- 次の歌
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年を経て同じ梢に匂へども 花こそ人に飽かれざりけれ