おのづから来る人あらばもろともに
眺めまほしき山桜かな
- 歌の意味
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もしたまたま訪ねて来る人がいたなら、一緒に眺めたいと思う山桜であることよ。
- 鑑賞
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春歌 99
詞書「せか院の花盛りなりける頃、としたかのもとより言ひ送られける」
詞書によれば、せか院の花が盛りであったころ、としたかという人から西行のもとへ詠み送られてきた歌で、次歌の西行の返しと一組の贈答をなす。もし誰かが訪ねて来てくれたら、一緒に眺めたいと思うほど美しい山桜だ、と詠み、それとなく西行を花見に誘っている。
作者は原文の表記に従い「としたか」とする。どの人物にあたるかは本文からは確定できない。初句「おのづから」は本巻の第九十二首の初句と同じ語で、花をめぐる「たまたま」の思いが、ここでは人の訪れを待つ形で詠まれている。
初句「おのづから」は、たまたま、ひょっとして、の意である。
二句「来る人あらば」は、訪ねて来る人がいたならば、の意で、相手の来訪をそれとなく促している。
三句「もろともに」は、一緒に、の意である。
四句「眺めまほしき」の「まほし」は願望を表し、眺めたいと思う、の意である。
結句「山桜かな」は、詠嘆の「かな」で、ともに眺めたい山桜の美しさに感じ入って結んでいる。
ながむ:物思いにふけりながら見つめる
- 作者
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としたか
- 出典
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山家集
- 前の歌
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待ち来つる八上の桜咲きにけり 荒くおろすな三栖の山風
- 次の歌
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眺むてふ数に入るべき身なりせば 君が宿にて春は経ぬべし