- 歌の意味
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花が散るのを見ても、そのまま帰ってくる心は、桜の花よ、昔とは変わってしまったしるしなのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 104
詞書「世を遁れて東山に侍りける頃、白川の花盛りに人誘ひければまかりて、帰りて昔思ひ出でて」
詞書によれば、出家して東山に住んでいたころ、白川の花盛りに誘われて出かけ、帰ってから昔を思い出して詠んだ歌である。花が散るのを見ても未練なく帰ってくる自分の心は、昔の自分とは変わってしまったしるしなのだろうか、と桜に問いかけている。
出家前には花の散るのを惜しんでその場を離れられなかった自分が、今は淡々と帰ってくる。その変化を、仏道に入った証と見るべきか、それとも心の衰えと見るべきか、と自らを省みている。
初句「散るを見て」は、花が散るのを見て、の意である。
二句「帰る心や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」と係り結びをなす。散るのを見てもそのまま帰る心は、の意である。
三句「桜花」は、桜の花への呼びかけである。
四句「昔にかはる」は、昔とは変わってしまった、の意である。
結句「しるしなるらん」は、しるしなのだろうか、の意で、推量の「らん」で、自らの心の変化を問いかけて結んでいる。
しるし:証拠、兆し
ひがしやま:京の東に連なる山々
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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濡るともと陰を頼みて思ひけん 人の跡踏む今日にもあるかな
- 次の歌
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散りそむる花の初雪降りぬれば 踏み分けまうき志賀の山越え