散りそむる花の初雪降りぬれば
踏み分けまうき志賀の山越え
- 歌の意味
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散りはじめた花が初雪のように降り積もったので、踏み分けて越えていくのがためらわれる志賀の山越えであることよ。
- 鑑賞
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春歌 105
詞書「山路落花」
山道の落花を題とする歌である。散りはじめた桜の花びらが、初雪のように山道に降り積もったので、それを踏み分けて志賀の山を越えていくのがためらわれる、と詠む。
散り敷いた花びらを初雪に見立て、美しい花を踏むことをはばかる心を表している。志賀の山越えは、京から近江の志賀へ抜ける山道で、花の名所として古くから詠まれてきた。ここから落花の歌が続いていく。
初句「散りそむる」は、散りはじめた、の意である。
二句「花の初雪」は、散りはじめの花びらを初雪に見立てた表現である。
三句「降りぬれば」は、降り積もったので、の意で、「降る」は雪の縁語である。
四句「踏み分けまうき」の「まうし」は、気が進まない、の意で、花を踏むことをためらう心を表す。
結句「志賀の山越え」は体言止めで、京から近江の志賀へ越える山道を示して結んでいる。
ちりそむ:散りはじめる
しがのやまごえ:京から比叡山の南を越えて近江の志賀へ抜ける山道
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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散るを見て帰る心や桜花 昔にかはるしるしなるらん
- 次の歌
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勅とかや下す帝のいませかし さらば恐れて花や散らぬと