波もなく風ををさめし白河の
君の折もや花は散りけん
- 歌の意味
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波風も立てず、天下をよく治めた白河院の御代にも、花は散ったのだろうか。
- 鑑賞
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春歌 107
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
波風ひとつ立てずに世を治めたという白河院の御代にも、やはり花は散ったのだろうか、と思いやる歌である。
前歌で花を散らさぬ勅命を出す帝を願ったのを受け、世の風をも治めたほどの名君の時代でさえ、花の散ることは止められなかったのだろうか、と問うている。「波」「風」に白河の地名の「川」が響き合い、言葉の縁によって一首が組み立てられている。
初句「波もなく」は、波風ひとつ立たず、の意で、世が平穏であったことをいう。
二句「風ををさめし」は、世の風を鎮めて治めた、の意である。「風」は花を散らすものでもあり、結句の落花と響き合う。
三句「白河の」は、白河院を指す。地名の白川の「川」が、初句の「波」と縁をなしている。
四句「君の折もや」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「けん」と係り結びをなす。白河院の御代にも、の意である。
結句「花は散りけん」は、花は散ったのだろうか、の意で、過去推量の「けん」で結んでいる。
きみ:天皇や上皇
をさむ:世を平穏に治める
をり:時、時代
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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勅とかや下す帝のいませかし さらば恐れて花や散らぬと
- 次の歌
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いかで我この世のほかの思ひ出に 風をいとはで花を眺めん