春風の花の吹雪に埋まれて
ゆきもやられぬ志賀の山道
- 歌の意味
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春風が吹き散らす花の吹雪に埋もれて、雪に閉ざされたように先へ進んで行くこともできない志賀の山道よ。
- 鑑賞
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春歌 113
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
春風に吹き散らされる花びらが吹雪のように舞い、その花の吹雪に埋もれて、志賀の山道を先へ進むこともできない、と詠む歌である。
花びらの舞う様子を吹雪に見立て、「ゆき」に「行き」と「雪」とを掛けて、雪に閉ざされた山道のような景を描いている。本巻の第百五首でも志賀の山越えの落花が初雪に見立てられていたが、ここでは散りはじめから吹雪へと、花の散り方が激しさを増している。
初句「春風の」は、春に吹く風の、の意である。
二句「花の吹雪に」は、花びらが吹雪のように激しく舞い散る様子をいう。
三句「埋まれて」は、埋もれて、の意である。
四句「ゆきもやられぬ」の「ゆき」は、進んで「行き」と、二句の吹雪に縁のある「雪」とを掛けた掛詞である。先へ進むこともできない、の意を表す。
結句「志賀の山道」は体言止めで、京から近江の志賀へ越える山道を示して結んでいる。
ふぶき:ここでは花びらが激しく舞い散ること
ゆき:進んで行く意と、雪の意を掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山おろしの木の下埋む春の雪は 岩井に浮くも氷とぞ見る
- 次の歌
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立ちまがふ峰の雲をば払ふとも 花を散らさぬ嵐なりせば