立ちまがふ峰の雲をば払ふとも
花を散らさぬ嵐なりせば
- 歌の意味
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花と入り乱れて見分けのつかない峰の雲を吹き払うとしても、花だけは散らさない嵐であったならよいのに。
- 鑑賞
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春歌 114
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
峰に立ちこめて花と見分けのつかない雲を吹き払うのはかまわないが、花だけは散らさない嵐であってくれたらよいのに、と願う歌である。
嵐が雲を払えば花はよく見えるが、同時に花も散らしてしまう。その矛盾を、雲は払っても花は散らさない嵐という都合のよい願いで表し、花を惜しむ心の切実さを伝えている。
初句「立ちまがふ」は、立ちこめて入り乱れ、花と見分けがつかなくなる、の意である。
二句「峰の雲をば」は、峰にかかる雲を、の意である。
三句「払ふとも」は、吹き払うとしても、の意で、逆接の仮定を表す。
四句「花を散らさぬ」は、花を散らさない、の意である。
結句「嵐なりせば」は、嵐であったならば、の意で、下に「よからまし」などの言葉を言いさした形で、願いを余情として残している。
たちまがふ:入り乱れて見分けがつかなくなる
あらし:山から吹きおろす激しい風
はらふ:吹き払う、取り除く
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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春風の花の吹雪に埋まれて ゆきもやられぬ志賀の山道
- 次の歌
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吉野山花吹き具して峰越ゆる 嵐は雲とよそに見ゆらん