吉野山花吹き具して峰越ゆる
嵐は雲とよそに見ゆらん
- 歌の意味
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吉野山の花を吹き連れて峰を越えていく嵐は、よそから見れば雲のように見えることだろう。
- 鑑賞
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春歌 115
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
吉野山の花びらを吹き連れて峰を越えていく嵐は、遠くから見る人には、白い雲が峰を越えていくように見えることだろう、と詠む歌である。
嵐そのものは目に見えないが、花びらを連れて峰を越えることで雲のように見える、という発想に工夫がある。前歌で花を散らさない嵐を願ったのに対し、この歌では花を吹き連れていく嵐の姿を描いている。
初句「吉野山」は、大和国の桜の名所である。
二句「花吹き具して」は、花を吹き連れて、の意である。
三句「峰越ゆる」は、峰を越えていく、の意で、四句の「嵐」にかかる。
四句「嵐は雲と」は、嵐は雲のように、の意で、花びらを運ぶ嵐を雲に見立てている。前歌の結句の「嵐」を受けている。
結句「よそに見ゆらん」は、よそから見れば見えるだろう、の意で、推量の「らん」で結んでいる。
ぐす:連れる、伴う
よそ:離れた所
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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立ちまがふ峰の雲をば払ふとも 花を散らさぬ嵐なりせば
- 次の歌
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惜しまれぬ身だにも世にはあるものを あなあやにくの花の心や