もろともに我をも具して散りね花
憂き世をいとふ心ある身ぞ
- 歌の意味
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一緒に私も連れて散っておくれ、花よ。私もまた、このつらい世を厭う心を持つ身なのだ。
- 鑑賞
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春歌 118
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
花よ、散るのならば私も一緒に連れて散っておくれ、私もこのつらい世を厭う心を持つ身なのだから、と花に呼びかける歌である。
前歌で春風が花を憂き世から救い出すと詠んだのを受け、自分もまた憂き世を離れたい者として、花とともに散りたいと願っている。「憂き世」の語を前歌と共有し、花に寄せて自らの厭世の思いを強く表している。
初句「もろともに」は、一緒に、の意である。
二句「我をも具して」は、私をも連れて、の意である。
三句「散りね花」の「ね」は完了の「ぬ」の命令形で、散ってしまえ、花よ、と呼びかけて三句切れとなる。
四句「憂き世をいとふ」は、つらいこの世を厭い避ける、の意で、前歌の初句と同じ「憂き世」を用いている。
結句「心ある身ぞ」は、そういう心を持つ身なのだ、と強意の「ぞ」で言い切り、花とともに散りたい理由を示して結んでいる。
ぐす:連れる、伴う
いとふ:嫌って避ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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憂き世にはとどめおかじと春風の 散らすは花を惜しむなりけり
- 次の歌
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思へただ花の散りなん木の下に 何を陰にて我が身住みなん