眺むとて花にもいたく馴れぬれば
散る別れこそ悲しかりけれ
- 歌の意味
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眺めようとして、花にもすっかり慣れ親しんでしまったので、散って別れることがいっそう悲しいことだ。
- 鑑賞
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春歌 120
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
花を眺めようと、毎日のように花のもとに通ううちに、花ともすっかり親しくなってしまった。だからこそ、花が散って別れるのがいっそう悲しい、と詠む歌である。
花を人のように親しい友とし、散ることを人との別れになぞらえて、その悲しみを素直に表している。この歌は『新古今和歌集』に入集している。
初句「眺むとて」は、眺めようとして、の意である。
二句「花にもいたく」は、花にもひどく、すっかり、の意である。
三句「馴れぬれば」は、慣れ親しんでしまったので、の意で、理由を示す。
四句「散る別れこそ」の「こそ」は強意の係助詞で、結句の已然形「けれ」と係り結びをなす。花が散ることを人との別れになぞらえている。
結句「悲しかりけれ」は、悲しいことだ、の意で、係り結びにより別れの悲しみを強めて結んでいる。
なる:慣れ親しむ
ながむ:物思いにふけりながら見つめる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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思へただ花の散りなん木の下に 何を陰にて我が身住みなん
- 次の歌
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惜しめども思ひげもなくあだに散る 花は心ぞかしこかりける