雪と見えて風に桜の乱るれば
花のかさ着る春の夜の月
- 歌の意味
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雪かと見えるほど風に桜が乱れ散るので、春の夜の月は、花の笠をかぶっているかのように暈をまとって見える。
- 鑑賞
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春歌 126
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
風に吹かれて雪のように乱れ散る桜の花びらの向こうに、春の夜の月がかすんで見え、まるで月が花の笠をかぶっているようだ、と詠む歌である。
「かさ」に、頭にかぶる「笠」と、月の周りに現れる光の輪である「暈」とを掛け、舞い散る花と月とを一つの景にまとめている。結句「春の夜の月」は本巻の第五十一首と同じで、そこでは霞が月をおぼろにしていたが、ここでは散る花が月にかさを着せている。
初句「雪と見えて」は、雪かと見えるほどに、の意で、字余りとなっている。
二句「風に桜の」は、風によって桜の花が、の意である。
三句「乱るれば」は、乱れ散るので、の意で、理由を示す。
四句「花のかさ着る」の「かさ」は、頭にかぶる「笠」と、月の周りに現れる光の輪の「暈」とを掛けた掛詞である。
結句「春の夜の月」は体言止めで、本巻の第五十一首と同じ結句を用い、花の笠を着た月の姿を示して結んでいる。
かさ:頭にかぶる笠と、月の周りに現れる光の輪である暈とを掛ける
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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木の下に旅寝をすれば吉野山 花の衾を着する春風
- 次の歌
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散る花を惜しむ心やとどまりて また来ん春の種になるべき