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心得つただひとすぢに今よりは
花を惜しまで風をいとはん

歌の意味
よくわかった。これからはただひたすらに、花を惜しむのではなく、風を嫌うことにしよう。
鑑賞
春歌 131

詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
 これまで散る花を惜しんできたが、よくわかった、これからは花を惜しむことはやめて、ひたすら花を散らす風を嫌うことにしよう、と心を決める歌である。
 花を惜しんでも花は散る。それならば恨む矛先を風に向けよう、という割り切った言い方に、かえって花への断ちがたい思いがにじんでいる。前二首の嵐や山風への訴えを受けて、ここで風を厭うと言い切っている。

 初句「心得つ」は、よくわかった、悟った、の意で、完了の「つ」で言い切る初句切れである。
 二句「ただひとすぢに」は、ただひたすらに、の意である。
 三句「今よりは」は、これからは、の意である。
 四句「花を惜しまで」は、花を惜しまないで、の意である。
 結句「風をいとはん」の「ん」は意志を表し、風を嫌うことにしよう、と結んでいる。

こころう:理解する、悟る
いとふ:嫌がる、避ける
作者
西行
出典
山家集
前の歌
あだに散るさこそ梢の花ならめ 少しは残せ春の山風
次の歌
吉野山桜にまがふ白雲の 散りなんのちは晴れずもあらなん