吉野山桜にまがふ白雲の
散りなんのちは晴れずもあらなん
- 歌の意味
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吉野山で桜と見まがう白雲は、桜が散ってしまった後には、晴れずにそのままいてほしい。
- 鑑賞
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春歌 132
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
吉野山で桜と見分けがつかないほどに峰にかかる白雲よ、桜が散ってしまった後も晴れずにそのままかかっていてほしい、と願う歌である。
桜が散っても、桜に似た白雲が残っていれば、花の名残を見ることができる。雲を花の形見として残したいという、花を惜しむ心の工夫が込められている。四句の「散りなんのち」は本巻の第六十七首の四句と同じ言葉で、そこでは花が散った後の心の行方が問われていた。
初句「吉野山」は、大和国の桜の名所である。
二句「桜にまがふ」は、桜と見分けがつかないほどよく似た、の意である。
三句「白雲の」は、峰にかかる白雲を指し、四句以下の主語となる。
四句「散りなんのちは」は、桜が散ってしまった後は、の意で、本巻の第六十七首の四句と同じ言葉を用いている。
結句「晴れずもあらなん」の「なん」は他に対する願望を表し、晴れずにいてほしい、と雲に願って結んでいる。
まがふ:見分けがつかないほどよく似る
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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心得つただひとすぢに今よりは 花を惜しまで風をいとはん
- 次の歌
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花と見ばさすがなさけをかけましを 雲とて風の払ふなるべし