風誘ふ花の行方は知らねども
惜しむ心は身にとまりけり
- 歌の意味
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風が誘って散らしていった花の行方はわからないけれども、花を惜しむ心は、この身にとどまっていることだ。
- 鑑賞
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春歌 134
詞書は前の歌に続き「落花の歌あまたよみけるに」
風に誘われて散っていった花がどこへ行ったのかはわからないが、花を惜しむ心だけは、この身にとどまって残っている、と詠む歌である。
去っていく花と、身に残る惜しむ心とを対比させ、花が去った後の寂しさを静かに見つめている。本巻の第六十七首では花に誘われて身から抜け出した心が、花の散った後に身に帰るのかと問われていたが、この歌では惜しむ心が身にとどまっている。
初句「風誘ふ」は、風が誘って散らす、の意である。
二句「花の行方は」は、散った花の行く先は、の意である。
三句「知らねども」は、わからないけれども、の意で、逆接で下に続く。
四句「惜しむ心は」は、花を惜しむ心は、の意で、二句の「花の行方」と対比されている。
結句「身にとまりけり」は、この身にとどまっていることだ、と気づきの「けり」で結んでいる。
ゆくへ:行く先、行方
さそふ:誘う。ここでは風が花を散らす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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花と見ばさすがなさけをかけましを 雲とて風の払ふなるべし
- 次の歌
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花盛り梢を誘ふ風なくて のどかに散らす春にあはばや