あだに散る梢の花を眺むれば
庭には消えぬ雪ぞ積もれる
- 歌の意味
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はかなく散る梢の花を眺めていると、庭には消えることのない雪が積もっている。
- 鑑賞
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春歌 137
詞書「白河の花、庭おもしろかりけるを見て」
詞書によれば、白河の花が庭に散って美しいのを見て詠んだ歌である。はかなく散る梢の花を眺めていると、庭には消えることのない雪が積もっているようだ、と散り敷いた花びらを雪に見立てている。
梢では花ははかなく散るが、庭に積もった花びらは、本物の雪と違って消えることがない、という対比に趣がある。前歌の、庭に寄せる花を波と見た歌に続き、ここでは庭に積もる花を雪と見ている。なお本文の四句は「魔には」とあるが、読み仮名の行の「にはには」に従い「庭には」と読む。
初句「あだに散る」は、はかなく散る、の意である。
二句「梢の花を」は、木の枝先に咲く花を、の意である。
三句「眺むれば」は、物思いにふけりながら見つめていると、の意である。
四句「庭には消えぬ」は、庭には消えることのない、の意で、本物の雪と違い溶けて消えることのない花びらを表す。
結句「雪ぞ積もれる」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形の「る」と係り結びをなし、散り敷いた花びらを雪に見立てて結んでいる。
ながむ:物思いにふけりながら見つめる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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風荒み梢の花の流れ来て 庭に波立つ白河の里
- 次の歌
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散る花の庵の上をふくならば 風入るまじくめぐり囲はん