春風の花を散らすと見る夢は
覚めても胸の騒ぐなりけり
- 歌の意味
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春風が花を散らしていると見る夢は、目が覚めてからもなお胸が騒ぐことだ。
- 鑑賞
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春歌 139
詞書「夢中落花と云ふ事を、せか院の斎院にて人々よみけるに」
詞書によれば、せか院の斎院のもとで、夢の中の落花という題で人々が歌を詠んだ折の作である。春風が花を散らしている夢を見ると、目が覚めてからも、まだ胸騒ぎがおさまらない、と詠む。
夢の中のことでありながら、目覚めた後も胸が騒ぐほどに、花の散ることを恐れる心が表されている。本巻の第九十二首と同じく、せか院の斎院での歌会の詠である。
初句「春風の」は、二句の「散らす」の主語となる。
二句「花を散らすと」は、花を散らしていると、の意で、夢の内容を示す。
三句「見る夢は」は、そう見る夢は、の意である。
四句「覚めても胸の」は、目が覚めてからも胸が、の意である。
結句「騒ぐなりけり」は、騒ぐことだ、と気づきの「けり」で、夢から覚めてもおさまらない胸の動揺を表して結んでいる。
さむ:夢から覚める
さいゐん:賀茂神社に奉仕した未婚の皇女。またその御所
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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散る花の庵の上をふくならば 風入るまじくめぐり囲はん
- 次の歌
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山桜枝きる風の名残なく 花をさながら我がものにする