おぼつかな花は心の春にのみ
いづれの年かうかれ初めけん
- 歌の意味
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気がかりなことだ。花のことになると、心はただ春にばかり向かってしまう。いったいどの年から、こうして浮かれはじめたのだろう。
- 鑑賞
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春歌 149
詞書は前の歌に続き「花歌十五首よみけるに」
花のことになると、心はただ春にばかり向かい、浮き立ってしまう。いったいいつの年から、自分はこのように花に浮かれはじめたのだろう、と自らの心をいぶかしむ歌である。
花に浮かれる心の始まりを問うことで、それがもはや思い出せないほど昔からのものであることを表している。初句「おぼつかな」は本巻の第百四十六首と同じで、一連の中で同じ初句が重ねられている。
初句「おぼつかな」は、形容詞「おぼつかなし」の語幹で、気がかりだ、と詠嘆する初句切れである。
二句「花は心の」は、花については心の、の意である。
三句「春にのみ」は、春にばかり、の意で、心が花の季節にばかり向かうことをいう。
四句「いづれの年か」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「けん」と係り結びをなす。
結句「うかれ初めけん」は、浮かれはじめたのだろう、の意で、過去推量の「けん」で結んでいる。
うかる:心がうわついて落ち着かなくなる
うかれそむ:心が浮かれはじめる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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初花の開けはじむる梢より そばへて風の渡るなりけり
- 次の歌
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いざ今年散れと桜を語らはん なかなかさらば風や惜しむと