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風吹くと枝を離れて落つまじく
花綴ぢつけよ青柳の糸

歌の意味
風が吹いても枝を離れて落ちることのないように、花を枝に綴じつけておくれ、青柳の糸よ。
鑑賞
春歌 151

詞書は前の歌に続き「花歌十五首よみけるに」
 風が吹いても桜の花が枝から離れて落ちないように、青柳の糸で花を綴じつけてほしい、と柳に呼びかける歌である。
 柳の細い枝を糸に見立てる伝統的な見立てを生かし、その糸で桜を縫いとめようという奇抜な発想に工夫がある。結句「青柳の糸」は本巻の第五十三首、第五十四首と同じで、そこでは雨や風に乱れる柳が詠まれていたが、ここでは柳の糸が桜を守るものとして描かれている。

 初句「風吹くと」は、風が吹いても、の意である。
 二句「枝を離れて」は、桜の花が枝を離れて、の意である。
 三句「落つまじく」は、落ちることのないように、の意である。
 四句「花綴ぢつけよ」は、花を綴じつけよ、の意の命令形で、「綴づ」は糸の縁語である。
 結句「青柳の糸」は体言止めの呼びかけで、本巻の第五十三首、第五十四首と同じ結句を用い、柳の枝を糸に見立てて結んでいる。

とぢつく:糸で縫いとめる、綴じつける
あをやぎ:芽吹いて青々とした柳
作者
西行
出典
山家集
前の歌
いざ今年散れと桜を語らはん なかなかさらば風や惜しむと
次の歌
吹く風のなめて梢に当たるかな かばかり人の惜しむ桜に