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同じ身の珍しからず惜しめばや
花もかはらず咲けば散るらん

歌の意味
同じこの身が、毎年代わり映えもなく惜しむからだろうか。花もまた変わることなく、咲けばすぐに散るのだろう。
鑑賞
春歌 154

詞書は前の歌に続き「花歌十五首よみけるに」
 同じ我が身が毎年毎年、代わり映えもなく花を惜しんでいるからだろうか、花もまた毎年変わらず、咲けばすぐに散ってしまうのだろう、と詠む歌である。
 毎年同じように花を惜しむ自分と、毎年同じように散る花とを重ね合わせ、繰り返される春の営みを、半ば自嘲的に見つめている。

 初句「同じ身の」は、毎年同じこの身が、の意である。
 二句「珍しからず」は、目新しくもなく、代わり映えもなく、の意である。
 三句「惜しめばや」は、惜しむからだろうか、の意で、「や」は疑問の係助詞として結句の「らん」と係り結びをなす。
 四句「花もかはらず」は、花もまた変わることなく、の意で、初句の「同じ身」と対応している。
 結句「咲けば散るらん」は、咲けばすぐに散るのだろう、の意で、推量の「らん」で結んでいる。

をしむ:失うことを残念に思う、名残惜しく思う
作者
西行
出典
山家集
前の歌
何とかくあだなる春の色をしも 心に深く染めはじめけん
次の歌
峰に散る花は谷なる木にぞ咲く いたくいとはじ春の山風