今日のみと思へば長き春の日も
ほどなく暮るる心地こそすれ
- 歌の意味
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春は今日限りと思うと、長いはずの春の日も、すぐに暮れてしまうような気持ちがする。
- 鑑賞
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春歌 172
詞書は前の歌に続き「三月一日足らで暮れにけるによみける」
春も今日一日限りと思うと、本来は長いはずの春の日も、たちまち暮れてしまうように感じられる、と詠む歌である。
春の日の長さという常識と、名残を惜しむ心が感じる時の短さとを対比させ、春の最後の一日を惜しむ思いを表している。前歌の、三月が一日足りずに終わる嘆きを受けて、春の最後の日へと時が迫っている。
初句「今日のみと」は、春は今日限りと、の意である。
二句「思へば長き」は、そう思うと、長いはずの、の意である。
三句「春の日も」は、春の一日も、の意である。
四句「ほどなく暮るる」は、すぐに暮れてしまう、の意である。
結句「心地こそすれ」の「こそ」は強意の係助詞で、已然形「すれ」と係り結びをなし、そう感じられることだ、と強めて結んでいる。
ここち:気持ち、感じ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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春ゆゑにせめても物を思へとや 三十日にだにも足らで暮れぬる
- 次の歌
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行く春をとどめかねぬる夕暮は 曙よりもあはれなりけり