神垣のあたりに咲くもたよりあれや
木綿かけたりと見ゆる卯の花
- 歌の意味
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神社の垣根のあたりに咲いているのも、それにふさわしいゆかりがあるからだろうか。神に捧げる木綿を掛けたように見える卯の花であることよ。
- 鑑賞
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夏歌 178
詞書「社頭卯花」
詞書「社頭卯花」は、神社のほとりに咲く卯の花を詠む題である。神社の垣根のあたりに卯の花が咲いているのは、それなりのゆかりがあるからだろうか、白い花がまるで神前に掛ける木綿のように見える、と詠む。卯の花の白さを神事の木綿に見立て、神域にふさわしい花としてとらえている。
井堰の波、夜の晒し布に続いて、卯の花の白さを神前の木綿に見立てており、卯の花を白いものに見立てる歌が三首並んでいる。
初句「神垣の」は、神社の周りに巡らした垣根をいい、神域を指す。
二句「あたりに咲くも」の「も」は、神垣のあたりに咲くこともまた、という意を表す。
三句「たよりあれや」は六音の字余りである。「たより」はゆかり、縁の意で、「や」は疑問を表し、何かゆかりがあるからだろうか、と推し量っている。三句切れである。
四句「木綿かけたりと」の「木綿」は、楮の皮の繊維で作った白い糸で、榊などに掛けて神に捧げるものである。
結句「見ゆる卯の花」は体言止めで、木綿を掛けたように白く見える卯の花の姿を示して結ぶ。
かみがき:神社の周りの垣根、神域
たより:ゆかり、つながり
ゆふ:楮の皮の繊維から作った白い糸、榊などに掛けて神に捧げる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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まがふべき月なき頃の卯の花は 夜さへさらす布かとぞ見る
- 次の歌
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郭公人に語らぬ折にしも 初音聞くこそかひなかりけれ