待つ人の心を知らばほととぎす
頼もしくてや夜を明かさまし
- 歌の意味
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待っている人の心をほととぎすが知っていてくれるのなら、待つ身も頼もしく思って夜を明かすことができるだろうに。
- 鑑賞
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夏歌 185
詞書「郭公、人にかはりて」
詞書から、「郭公」の題で、人に代わって詠んだ歌であることがわかる。ほととぎすが待つ人の気持ちを知ってくれているのなら、待つ身も心強く夜を明かせるだろうに、実際にはその心が通じないので、不安なまま夜を過ごしている、と詠む。反実仮想の「まし」で、かなわない願いを表している。
前歌までが西行自身の待つ心を詠んだのに対し、この歌は人に代わって待つ人の立場から詠まれており、同じ待つ心を別の人の身に移して描いている。
初句「待つ人の」は、ほととぎすの声を待っている人をいう。
二句「心を知らば」は、未然形に「ば」が付いた仮定条件で、もしその心を知っているならば、の意である。結句の「まし」と呼応して反実仮想となる。
三句「ほととぎす」は、呼びかけの形で示されている。
四句「頼もしくてや」は、心強く思って、の意で、「や」は疑問を表す。
結句「夜を明かさまし」の「まし」は反実仮想の助動詞で、そうであれば安心して夜を明かすだろうに、と実際にはそうでない嘆きを込めて結んでいる。
あかす:眠らずに夜を過ごす、夜を明かす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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郭公待つ心のみ尽くさせて 声をば惜しむ五月なりけり
- 次の歌
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ほととぎす聞かで明けぬと告げ顔に 待たれぬ鳥の音ぞ聞こゆなる